【第8号】-外国人労働者受け入れの功罪-
私の全国巡回オルグも8ヶ月目に入り、来週には47都道府県のうち最後の訪問先である石川県にお伺いする予定となっています。また最近では支援産別である交通労連加盟組合および社会保険診療報酬支払基金労組の皆さまの職場への訪問活動を本格化させています。ご訪問した折に、お忙しい中仕事の手を止めてまでご対応頂いた皆さま、本当に有難うございます。
さて、今回のサッカー・ワールドカップ決勝戦でのジダンによる「頭突き」に端を発し、フランス・イタリアのみならずヨーロッパ諸国を巻き込んだ問題に発展している「人種差別」「移民問題」に関しては、色々と考えさせられました。
現在のヨーロッパにおける移民問題は、第二次世界大戦によって荒廃したヨーロッパ諸国が、経済復興のために大量の移民を受け入れたことに端を発しています。その後、安価な労働力としてヨーロッパ諸国の経済活動を下支えしてきた移民によってヨーロッパは復興し、今日の繁栄を築いたと言っても過言ではありません。しかしこうした移民は低賃金労働者であったが故に、退職後の手厚い社会保障を必要としました。そのことが、現在の膨大な社会保障費負担を生み、各国の財政を圧迫しています。また移民の子弟の社会進出は、結果として若者の就業機会を狭めることとなり、そのことが移民排斥運動につながっています。目先の自国の利益のみを追求したツケを、現在ヨーロッパ諸国は払っていると言えます。
日本でも昨今、少子化による労働力不足を背景として、外国人労働者の受け入れについて活発な論議がなされています。しかし単なる低賃金労働者として外国人労働者を捉えると欧米諸国と同じ轍を踏むことになるのではないかと危惧しています。今の日本には果たして外国人労働者を受け入れ、将来に亘って共生していく覚悟があるのでしょうか?外国人労働者の受け入れ問題については、もっと充分な議論を深める必要があると考えています。
ところで、今回初めて知りましたが、サッカーの試合ではお互いに罵り合いながら試合をするのは日常茶飯事とのこと、世界最高峰の華やかなプレーの影に低レベルな舌戦があったかと思うと、少々興醒めですね。
7月21日 福岡にて
川合 孝典