首都圏中央連絡自動車道(圏央道)全長:230Km、車線:4車線、費用:4兆円(予定)
M25環状高速道路(ロンドン)全長180Km、車線:6車線、費用:2,300億円(完工)
上記は東京とロンドンの高速道路の建設費を比較したものです。ロンドンは世界で最も地価の高い都市のひとつに数えられていますが、その外周を取り囲む環状高速道路(M25)の建設コストは、なんと圏央道の17分の1。しかも圏央道は完成までに10兆円以上かかる、とも言われています。なぜこれほどの差が生じるのでしょう?
いくつか理由がありますが、まずひとつめに「不透明な入札システムと建設業界の談合体質」が挙げられます。日本の公共事業の場合、工事の質など様々な理由をつけて、最初から入札業者を限定(指名競争入札)してしまっていますから自由競争の原理が働かず、その結果建設コストが高止まりしています。更にそこに政治家(いわゆる族議員)が介在することが、この問題をより根深いものとしてしまっています。
もうひとつの理由は、「日本の道路は借金で建設されている」という点です。ただでさえ建設コストが高いのに、建設期間が長期に亘ることから、金利負担だけでも膨大な金額になってしまう訳です。更には国(国土交通省)が、一方的に建設計画を押し付けることが、用地買収費の増大や地権者とのトラブルを誘発し、建設計画が大幅に遅れる原因となっています。
ちなみにイギリスの道路整備は、毎年の税収の範囲内で行われています。また計画断簡で地域と充分な協議を行なって合意形成をしますので、計画通り、しかも日本とは比較にならないほどの安価に公共事業を行なうことが可能になっています。
日本が世界的に見ても非常識なほどに高コストな道路を造り続けているという事実、そして政官業の癒着の構造の下、聖域化した道路特定財源こそが、この超高コスト体質を温存させるという事実をこの機会に是非皆さんに知って頂きたいと考えています。
※引用文献:「道路の経済学」松下文洋著